「なぁ、レイリ」
「何?」
レイリは口に柔らかいお肉をほうり込む。
カムイは言いにくそうに口をつぐんだ。
「質問しといて・・なんなわけ?」
「レイリは・・人を殺すのを何故ためらわないんだ?」
少しの沈黙が通り過ぎた。
レイリはお肉を飲み込み口を開く。
「やらなきゃ、やられるからよ」
レイリの言葉もっともだ、カムイもそうは思っているだが、先に同情してしまうのだ。
「だけどさ!」
「だけど?敵に同情するの?」
「いや、そうじゃなくてさ・・・」
言葉がみつからない、ただカムイは沈黙した。
「だからあんたはアマチャンなの!復讐する相手に同情の心を持つ復讐者がいるのかしら?そんな奴はただのアマチャンよ!」
レイリは綺麗に夕食を完食した。
カムイは意気消沈している。もっともだ、復讐したいのに相手に同情して復讐をしないなんて奴は確かにアマチャンだ、実際自分がレッドアイに復讐するために冒険家になったのだ、同情なんてさらさらする気はない、だが本当に復讐できるのか?そんな想いが頭をかすめていく。
「え!?」
レイリが突然驚いた。
「どうしたんだ?」
「いや、ね・・依頼主からの耳打ちがきてね」
耳打ち、それは冒険家たちがよくつかう会話方法だ。それは遠く離れた人に思念を飛ばして会話などをすることである。耳打ちをする人の実力によって耳打ちをが届く距離が広くなる。
「ごめん、ちょっと出かけるわ!」
「あ、おう」
カムイの弱い相槌とともにレイリは家をでた。
噴水前、一人の男が立っている。
「何かよう!?アレクス!!」
「届いてたのか、耳打ち」
アレクスは緊張感のない顔をしている。レイリは緊張より、警戒していた。
「こんばわ、レイリ」
暗がりから一人の子供がでてきた。
「誰!?」
レイリの槍の矛先が子供ねやわらかい首筋で止まった。
「あんたってまさか・・!」
「おいおい!レイリ、その人は俺を助けた人だぜ!」
「あ〜、なんでアレクスが生きてるのかわかつたわ」
レイリは槍をを強くにぎりしめた。
「アレクス、ちょっとレイリと二人で話したいんだ」
アレクスは暗闇の中に吸い込まれようにどこかに行った。
「救世主オズマ様が何かようですか?」
「気付いているくせに」
オズマは不適に笑った。子供の無邪気な微笑みはそこにはない。
「そうね、わかってるわ、あんたがアレクスを蘇らせたんでしょ?」
「ビンゴ!」
「ご丁寧に記憶まで消してね」
「一緒にいたいと思わないの?」
「死人と一緒にいたいわけないでしょ!」
「またまたぁ〜、自分に嘘は良くないよ」
オズマはケラケラと笑いだした。
レイリの槍は今にはもう、オズマの首を切りつける寸前だ。
「あんた、本当に死にたいわけ?」
「ハハハ!殺せるの?」
「ッ!この!!」
レイリの槍は空を裂いた。オズマはレイリの後ろにいたのだ。
「どう?こっち側に入らない?」
「こっち側?」
「そう、世界を平等にする、救世主オズマ側に入らない?」
「あんたら半身半身の問題でしょ!どっち側にも私は入りません!」
「こっち側に来てくれたら、アレクスとやり直すことができるのに?」
「え!?」
レイリの心は大きく揺れた。
「どうだい?」
「・・誰が!一回死んだ奴とやり直すか!」
「まぁ、少し考えといて、一週間後までまつから よーく考えといて こっち側に来るのならアレクスに耳打ちしてくれよ!じゃ良い返事待ってるから」
オズマは少し笑って闇と同化したようにして消えた。
深い闇の沼にレイリは今足を踏み入れたのだ。
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