「答えろ!レイリ!!!」
カムイの声は虚しく消え失せてゆく。
レイリは薄ら笑いを浮かべ槍をカムイの眼前からどけ、一歩後にひく。
レイリは槍を数回、回しカムイに槍を向ける。
「仲間割れかな??」
闇の中から一人の少年がでてきた。
オズマだ。
「やぁ、これで二度目かな?あったのは?」
「誰だ?」
「やっぱり覚えてないよね〜まぁ確かに通り過ぎただけだもんな〜覚えてる方が不思議か・・・」
オズマはぶつぶつと呟きながら、考えこんでいる。
「オズマ?!速くしてくれない??」
「あ〜ごめねぇ、それじゃ〜いこうか」
オズマはクスクスとカムイの気持ちを逆なでするように笑った。
「待てよ!レイリ!」
カムイはレイリに手を伸ばす。
たが、一本の杖によって阻まれた。
「やぁ、カムイ君」
その杖の主は黒髪が似合う一人のウィザードだった。
「朧さん!?」
「覚えててくれたの!?うっれしぃ〜」
朧から笑顔が消えた。
「この先は行かせないよ」
「力づくでも行きます!」
何故だろう、ここまでして人を止めたいのは何故だろう。
心がざわつき、嫌な感じがする。
「まぁ、いいや」
朧は杖をカムイに向け一ふりした。
カムイは杖を間一髪でよけ、後ろに跳ぶ。
「『幻影の霧よ、彼の者惑う森となれ!』」
朧が詠唱を終えると霧が朧、オズマ、レイリを飲み込む。
「なんだ!?この霧!!」
「この霧はね、俺の魔力により発生した魔力の霧さ」
朧の声が霧の中から聞こえる。
霧散した霧は濃ため、自分の回りしか見ることができない。
そう陸の孤島だ。
「もう、あの二人は霧から出た見たいだね」
「くそ!何が何でもレイリを止める!!」
「理由も知らないのに??」
「理由なんて、後でつけたっていいだろ!!」
カムイの叫びは霧を震わせた。
「言うね〜やっぱ足止めだけじゃ、勿体ないよね〜」
朧は霧の中で薄ら笑いを浮かべた。
「うおおおぉ!!」
カムイの雄叫びがこだまする。
カムイは剣を横に振ると、同時に剣先から斬撃が飛ぶ。
「無茶苦茶に撃ったって意味ないよ」
「五月蝿い!!」
カムイの回りに微弱な風がいきなり吹き初めた。
「もう一発!」
いまさっきっと同じように剣を横に振る。
剣に風がまとう。
カムイが勢いをつけるため一回転したあと勢いよく横に振る。
剣先からは斬撃ではなく、一匹の蒼い龍が突風とともに飛び出した。
龍はカムイの回りを旋回し霧を払っていく。
「な?!」
霧がはれ朧があらわになる。
集中が途切れ、朧ではなく、龍に目が行った。
朧に向き直る。
朧も動揺しているようだ。龍は霧を払い終えると消えていった。
「もらった!」
カムイはもう一度斬撃を飛ばす。
「っく!」
朧は斬撃を杖で受け止め後ろへ跳ぶ。
後ろの家の壁を使い跳躍する。
杖がカムイの腹にあたる。
「ん、ぐ!!」
カムイはそのまま、後ろへ吹き飛ぶ。壁にぶつかり、ずり落ちて倒れた。
「『我雷鳴の主にして、雲海を統べる者、汝に雷撃の包容を与えん』」
朧が詠唱し終えると、朧の頭上に黒い雨雲が発生する。
雨雲も雷鳴を轟かせて大きく空に広がった。
「さぁ、降参してくれたら、君を見逃すけど?」
「誰が・・・降参するか!!」
「残念・・・」
朧が杖をカムイに向けたとたん、雨雲から無数の雷がカムイに向け飛んできた。
朧の霧が発生しオズマとレイリはその霧から逃れ無数にある古都の通りの一つにいた。
「オズマ、私はあんたを殺しててアレクスをもらうつもりだから」
レイリは宣誓布告とも、とれる言葉を静かに吐いた。
「ハハハ、そうか、まぁそれはよかった」
オズマはレイリの言葉を切って捨てように笑った。レイリは槍をクルクルと器用に回しながら少しの笑みを浮かべる。
「サイオンが聞いたら君を殺してるだろうな〜」
「だから、ちょうど二人の時に言ってるんでしょ あ〜まぁ〜」
レイリはクルクル回している槍を止める。そして、槍を民家と民家の間に投げた。
「きゃ?!」
そこから、一人の少女が右手にレイリの槍を掴みながら現れた。
「盗み聞きは止した方がいいわよ?お嬢ちゃん?」
レイリは横目で少女に問う。少女は不機嫌なようで、頬を膨らます。
「スイマセンね!!!!それから、お嬢ちゃんじゃないから!!これでも、二十歳です!!」
「ええぇぇ!!!同い年!!」
アリアスはレイリに槍を投げ返した。
レイリは槍を左手でとり、一回転したあと微笑んだ。
「アリアス、早速だけど、仕事だよ」
オズマは一人の青年の方を向いて、指さした。
「ハァハァ・・・カムイに呼ばれてみたら・・・最悪なとこきちまった」
「ゼルシア、お願いだけどここはひいてくれない?」
レイリが手をあわせてゼルシアに頼み込む。
「そりゃーなしだな、横にいるのは、たしか・・・『救世主』オズマだな・・・?」
ゼルシアはオズマを指さした。
オズマは笑みを浮かべながら、ゼルシアに答える。
「そうだよ」
「まぁ、いい、どんな方法でレイリを説得したか知らないが・・・」
「違うわ!!私が自分で・・・」
レイリの声はゼルシアの声で掻き消された。
「嘘はいけないぜ嘘わよ、レイリだって知ってるだろ?俺に嘘は通用しないってさ」
ゼルシアはダガーを手にとり、戦闘体制をとる。
「アリアス!!」
オズマが叫ぶと、妙な笛の音色が聞こえたとおもうと、そこらじゅうからモンスターが現れる。
「な!?」
ゼルシアが面食らったのか、レイリ達が何処に行ったのかわからなくなった。
「あんたの相手は私がするからね☆それから、逃げたらモンスターで街潰しまくるから、そこんとこ、ヨロシィクゥね☆」
アリアスがいつの間にか民家の屋上で笛を手に座っていた。
「っち!!まぁ、お前を生け捕りにしてアジトを吐かせてやる!!」
ゼルシアはダガーを器用に手の上で回しアリアスを睨む。そして、モンスター達を睨む。
「さぁ、こいよ」
ゼルシアはポーカーフェイスのまま、ダガーを前に向ける。
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