[PR] ドバイ 九楼の苦労する不思議な大冒険 第7章 闇の沼 第4節 カムイ=惑う者=復讐者
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第7章 闇の沼 第4節 カムイ=惑う者=復讐者

無数の雷がカムイ目掛け飛ぶ。
カムイは、ひざまずき雷を見つめる。

カムイの頭の中で死のビジョンが浮かぶ。

それに答えるように、無数の雷はカムイの目の前まで、近づくのだった。

・・・終わったな、朧は悟った。だが、朧の思いは虚しくその瞬間砕け散る。

(力が欲しいか・・・?)

カムイの頭の中で誰かが呟く。

「・・・え!?」

次の瞬間、カムイを包むように、風が激しくまう。

雷は風に弾かれ、地面や民家の壁に突き刺さり、弾ける。

「な!?」

朧は、驚き杖を落とす寸前で杖をにぎりしめる。

「さすが、オズマが一目おくわけだ」

朧は苦笑した。





(力が欲しいか?)

カムイは風の中にいた。

息ができない、カムイは口をパクパクさせながら、必死に息をしようとするが、効果がない。

(そうだったな、人間は空気が無ければ生きていけないのだったな)

声は威厳を保ちながら、鼻で笑った。

(主はどちらを選ぶのだ?復讐の道へ行くのか、仲間を助ける道か、主が本当に行きたい道は、どちらだ?)

少しだけ、風が弱まった。
外からは、朧の雷が容赦なく降り注いでいるようだ。
それを確認した後、カムイは考える。

(さぁ、答えたまえ!復讐者か 探求者か 主はどちらだ?憎しみで生きていた主は、新しい光りに触れガのように光りの周りを飛び、憎しみを忘れた、さぁ!答えたまえ、主はどちらを選ぶ?再び憎しみを手にいれるか?今持っている光りを守るのか?)

カムイは考える。少ない空気をいっぱい吹終える。
大きく息を吐くそして、また考える。

この声の主のは誰だ?

そう考えながら、自分の旅の目的を考えなおす。

レイリ達といる時は復讐のことなど、考えなかった。いや、復讐の二文字さえ出てこなかった。

頭の中で色々なことが走馬灯のように思い出が蘇る。

(力が欲しいか?)

声がカムイに問う。カムイはそれに答えるように、言葉を紡ぐ。

「あぁ!力が欲しい!!!」

(ならば、道を示せ、惑う者よ)

「俺は、復讐者だ!」

レイリ達を捨てたわけでじゃない。カムイは叫ぶ。

「俺は、俺から大切なモノを奪う奴、奪った奴に罪を与える、復讐者だ!!」

(善くも悪くも主は道を示した。ならば一時主に力をかさん)

声が少し落ち着いた感じがした。
カムイは剣をにぎりしめる。
朧のいる方へ再び向き直る。

(我が名を叫べ!我が名は―――)

(「―――ルドラ!!」)

カムイの叫びと共に、風が爆発したかのように、周りに弾け飛ぶ。

「第2ラウンド、突入ってか!?」

朧は苦笑しながら、杖に再び雷を宿す。

体が軽い、風が体を包むように流れている。

朧の杖から雷が放たれカムイを襲う。

雷をかわし、朧の方へ跳ぶ。

「な?!速い!!」

カムイの剣を間一髪で避け民家の屋根に飛び乗り、雷を放つ。

「ハアァァァ!!」

カムイの回りに風の壁が出現する。雷はその風の壁により弾かれた。

風の壁が消える、と同時に再び朧は雷を放つ。雷は虚しく地面に突き刺さり、爆発する。

朧の横を一陣の風が通り抜ける。咄嗟に振り向く。

「もらった!!」

剣を大きく振る。剣は風に乗るようにして、轟音が鳴り響く。

「っ!!くそ!」

朧は剣を杖で受け、吹き飛ぶ。杖はもろくも壊された。

「終わりだ!!!」

カムイは叫ぶと、同時に大きく踏み込み跳ぶ。

朧は小さく舌打ち、小さく呟く。

「あ〜くそ!!使いたくなかったのに」

頭をかきながら折れた杖を投げ捨てる。

カムイが風のような速さで朧に近づく。

剣を避ける。朧は後ろへ跳ぶ。

朧は手で顔をおおう。

「クククク・・・カムイ君やっぱり君はおもしろいよ、オズマが一目おくわけだ」

カムイは朧を凝視する。
おかしくなったのか?カムイは風を剣に集めながら思う。まあいいこれで終わりなのだから、カムイは剣を大きく横に振る。
ソニックブロー、剣先から無数の剣撃が飛ぶ。

朧が闇に掻き消える。朧に当たらず地面で爆発する。土煙りがたちこめる。
「わぉ〜ん!!」

犬か狼の遠吠えが聞こえる。近い、いまさっきまで、獣の気配なんて無かった。なのに、遠吠えが聞こえる。

月光が一つの影を捕らえる。鼻が前にのび、口がまるでワニの口のように、大きく開く。
口の中は狂喜が形なったような、牙が剥き出しになる。そう狼だ。いや、狼にしてはおかしい、何故なら二本足で人間と同じように立っている。

「・・・さぁ、終りだ・・・」
狼から掠れた聞き覚えのある声が聞こえる。朧だ。
「え・・・?」

一瞬だった。一瞬の動揺が隙を産んだ。狼の爪はカムイの剣を簡単に切断する。

風を動かすひまがない。
そのまま、狼のラッシュは続く。右左右左と単調な攻撃だ。本来のカムイでも見切れるが、今は違う。動揺で冷静な判断が出来ないのだ。

「最後だ!!!」

狼は叫ぶ。
それと同時に後ろに跳ぶ。

「遅い」

狼はカムイの行動を予測したのだ。

狼の大振りな手がカムイの腹で爆発する。

そのまま、カムイは民家の壁にたたき付けらる。
壁にぶつかると同時に腹から血しぶきがあがる。

「かは・・・はぁ・・」

口からも血がでてきた。
目の前がクラクラする。
焦点があわない、なにより痛みを感じない。
死が近づいているのか?そう考えさせる。

「ちょっとやり過ぎたかな?」

狼の朧は苦笑しながら、手についたカムイの血を舐めた。

聞こえる?、と朧の声が囁く。目も見えない、口も開かない。いや動かない。聞こえるだけだ、反応さえ返せない。

「そうだ、君に一ついいこと教えたあげるよ、レイリわね、何故こちら側にきたかというと、昔死んだ、恋人ともう一度やり直すために、こちら側にきたわけさ・・・」

朧の声が少し楽しんでるように聞こえる。
体が動くなら殴っているところなのだが、生憎体は動かない。

そして朧は耳元で小さく、誰に聞かれるわけでもないのひっそりと囁いた。

「本当の狙いはレイリの魂にあるって話したけどね、まぁ〜あれだ、イ・ケ・ニ・エってやつさ」

朧はそう言い終えると路地に消えて行った。

そのまま、意識が遠退いて行く。俺は死ぬのか?―――

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