[PR] ドバイ 九楼の苦労する不思議な大冒険 第7章 闇の沼 第6節 裏側
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第7章 闇の沼 第6節 裏側

オズマは一人小さな通りで月を見上げている。そこへ朧とアリアスが歩いて来た。

「やぁ、朧にアリアスうまくいったかい?まぁ〜二人一緒に帰ってくるなんて青春だねぇ〜朧ぉ??」

オズマは殺気たっぷりの笑顔を朧に向けた。
その笑顔は大気を震わせ、その場にいる者を狂気で包む。

「まぁ、アリアスは先に帰っていいよ」

「は・・はい」

アリアスの顔は青ざめ小刻みに体を震わせ答えた。そしてそのまま闇の中に消えていく。

オズマはそれを見送ると、朧に向き直った。

「ねぇ、なんで朧はカムイを殺さなかったの?」

オズマは子供ぽい笑顔を浮かべ朧の顔を覗きこむ。

「彼が死ねば『ホーリーナイト』との全面対決に支障をきたさないために・・・」

「それじゃ〜答えたになってないよ?」

朧は淡々と答えた。オズマの笑顔をやめようとしない。

「・・彼が『預言者』と接触している可能性があるからです」

「へぇ〜まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど・・・おかしいと思わない?朧達がドンパチやっても、街の人間が一人も出てこないのが」

オズマは朧から朧の後ろに目を移した。

「君の仕業だろ?」

物影から一人の女性が出てきた。『ホーリーナイト』の『聖五騎士』の一人フィロ=ホワイレルだ。

「・・・」

フィロは無言のままオズマを凝視した。

「君が暗示をかけたんだろ?君が歌に暗示を込めて歌えば殆どの人間が聞くことになるからねぇ?一日中古都の中心街で歌えばほとんど人間か暗示にかかるし・・・なかなかの策だよ〜!朝まで何がおきてもグッスリだろ?で?そんな悪知恵誰が吹き込んだんだい?」

オズマは子供のような無邪気な顔をしながら、紳士的に問う。妙なギャップが気持ち悪さを漂わせた。

「それは私ですよ『救世主』」

民家の影が徐々に人の形になり立体になり、一人の人間が現れた。姿が記憶できない。解るのは人間だということ、それだけ。

「あぁ、あんたか『預言者』」

「『救世主』引いてくれないかい?」

「引くねぇ〜まぁいいか!!朧ぉ帰るぞぉ」

『救世主』オズマは無邪気に叫びながら闇に消えていった。それを追うように朧が闇に消える。
それからしばらく、沈黙が続く。

重い口を上げたのはフィロだった。

「何故ですか?『預言者』、何故私にこんなことをさせたのですか?」

「私は貴方に教えただけですよ・・・『トワイライト』がカムイ・ゼルシア・レイリと接触し戦いになると・・・」

「いえ!貴方はこうも言った。その戦いは隠密に行われなければならないと・・・」

「私はただ教えただけで、貴方が行動に移さなければカムイ君は死んでいた、ただそれだけです」

「確かに私は自分の意志で彼を助けたのかもしれないわね。もし私が暗示を街の皆さんにかけなければ、彼は止めに入った人を守るために自分の命を投げ出したかも知れないしね」

フィロは黒く染まった空を仰ぎ答えた。
オズマは目をまるくした。自分にしか解らないが。

「なかなか、柔軟な考え方をする人ですね・・・それではご機嫌よう」

オズマは一礼すると影の中に消えた。
フィロは頭をかきながら、ため息をつく。

「はぁ〜こんなこと私の独断でしちゃってよかったのかしら?」

フィロは少し考えこむがため息とともに闇に消えた。

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