[PR] ドバイ 九楼の苦労する不思議な大冒険 ハート・シフト・ウエポン 第1 『発動』 (3)
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ハート・シフト・ウエポン 第1 『発動』 (3)

心武―――それは、心を武器に変えて創られた武器。とかなんとか、この心武とやらを使うには元々の素質が必要らしい。
その素質があるから俺らは入学できたとか。
この平々凡々な自分にそのような特別な素質があるとは、少し感激だ。
まぁ〜そんなこんなで桜散り、深緑の季節になり。ただ今五月、少し温かい日々が続いていた。

「ななぁ〜飯まだか?」

「ちょっとくらい、こう君も手伝ってよ」

「俺は料理とか全然できないから」

「こう君そんなんだから、彼女の一人もできないんだよ」

痛いとこを突くのが上手いものだ。確かにかっこよくも格好悪くもない、どっち付かずの普通な顔だちしてるからな。

「はい!出来上がり!」

ななはテーブルに俺の分のパンと卵焼きが乗せられた皿を置き、自分の分もテーブルに置いて椅子に座った。
子供っぽい外見とは裏腹に料理の腕はなかなかのモノだ。もちろんのことエプロンが不思議なほど似合う。あとは性格と・・・胸さえあれば・・・。

「こう君、食べないの?」

ななの声で現実に帰る。

「いや、食べる食べる!」

「ぼぉ〜っと考えこんで、どしたの?・・・」

「・・・なんでもない」

そう言い終えて、直ぐさま朝食を口に無理矢理押し込み鞄片手に靴を履く。

「待ってよ!こうくーん」

部屋を出てから全速力で学校に向けて走る。
初めてななを他の異性として考えたら何故か凄く恥ずかしくなった。何故だろうか、遂に俺はななの毒にやられたのだろうか。そんな事を考えながら歩いていると後ろから自分を呼ぶ声が聞こえる。大方、予想はつくが。

「待ってって言ってるじゃん〜」

凄い勢いでななが追ってくる。あれは人間を超えた速さと言っていい、ほどの速さだ。このななの人間離れした足の速さは、ななの心武の能力らしい。学校の授業で自分の心武を創るというのがある、早い奴はもう心武を使う事ができる。
そして俺は当然のことながら、まだ心武は創れない。
あっさり俺はななに捕まった。

「いつの間にか桜の花、無くなったね」

「確かにな・・・」

ななの無邪気な笑顔を見ながら、いつも思う・・・こいつに悩みはあるのか?、と。

僚生活も慣れてきて、学校でも数は少ないが友達もできた。
中々、高校生活も捨てたもじゃないな。

「・・ぅ君!」

「ん?なんだ?」

「そいうとこも直したほうがいいよ、すぐ自分の世界にはいる癖」

「はいはい」

「はい、は一回でいいんだよ」

「はーい」

「のばさないの〜」

そうこうしているうちに学校についた。
スリッパにはき変える。

「藤守、ぉはよ〜」

「おはよさん、碧山」

イヤホンから音がかなり漏れている。
朝からヘビィメタを聞きながら登校してきたのは、碧山 涼真 クラスメートだ。クラスのムードメーカー適な存在で、直ぐさまコツを掴みクラスで心武を最初に使えるようになった奴だ。

「今日も、愛妻と登校か・・・」

碧山がこちらを恨めしげに見ているがこれはいつものことだ。
苦笑して受け流すくらいしかできないのが現状だ。

「藤守さぁ、女紹介してくんね?」

「だから、前にもいったろ、俺から紹介できる、女子はなな、くらいだって、そして、俺はななをこれっぽっちもカワイイと思ったことわない!」

「はいはい」

1−3のドアを開く。
中には数人の女子と男子がいた。ななは女子の輪の中に入っていった。

「おはよ、藤守」

「おはようさん、古林」

鞄を机に置きながら隣の席の古林を見た。
古林 彌(わたる)、いつもは碧山とかとつるんでるが、以外と誰とでも分け隔てなく接している奴だ。心が広いのか、それとも裏があるのか、よくわからない奴でもある。

「ん?何?」

「いや、ぁ・・ぁ・あれだ、鞄にキーホルダーしてたっけ?」

焦りながらも、古林に質問する。確かに、自分の世界にはいる癖は直したほうがいいのかも知れない。

「あぁ、これ、何となくつけただけだけど?」

「あぁ、そうか」

歯切れの悪い、会話をしていると、後ろのドアが開いた。

「うぃ〜」

「今日はえらくテンション下がってるな」

碧山は苦笑しながら、イヤホンを着けて音楽を聴き始める。さっきドアから入って来たのは、1−3の委員長、志水 優嬉 だ。テンションの上がり下がりが激しく碧山と同じで恋や恋人などの単語に異常なまでの反応をみせる。

「彌〜iPod貸してくれぇ」

「はいはい」

そして唯一を古林を名前で呼ぶのが志水だ。

「藤守くん、おはよ〜」

「はよ〜」

今教室に入って来たのは、平元 倭(やまと)だ。ポッチャリした体型で少し背が低い。そして、女子にはカワイイと評判の男子。男子には、かなりエロいと言われているがさだかではない。

「はーい、皆座って、けじめが大事!けじめが!!!」

語尾を荒げて教室に入って来たのは、神東 美野里、1−3の担任だ。

「はい!志水!自分の席に座りなさい!!」

志水は嫌そうな顔をしながら自分の席まで行く。

「はい!今日は平常通りの時間わりだからねぇ、皆!なんにでもけじめが大事だからね!!」

そう言いながら神東は教室を出ていった。神東が出て行ったのと同時に、伊豆元 春喜、が教室に入ってくる。伊豆元は遅刻ばかりする奴だ。まぁ、最近はそんなにしなくなったが、今日みたいな日々がよく続いている。

「ふ〜、あぶね〜」

「伊豆元、一限目は数学だぜ」

「えぇ!まじかよ!碧山!あ〜フケとけばよかった」

そう言いながら、伊豆元は自分の席に向かった。




放課後―――

碧山、伊豆元、古林、平元、と俺を加えた5人で中庭のベンチで話しこんでいた。

「でさぁ、それがおもろくて」

「それ!!なんだよなぁ」

他愛もない話しで盛り上がっていた。
向こうからジュースを飲みながら、平元が来ている。そこに三年が平元の肩をわざと自分の肩にあてる。その拍子に平元の持っていたジュースは飛び散り、三年の制服につく。

「ぁあん!お前!制服のクリーニング代よこせよ!こらぁ!」

絵に書いたような喧嘩の勃発だ。俺らは直ぐさま平元の側まで行く。

「ははは!金払えよ」

周りの三人が吠える。

「うっせぇな!倭、下がってろ!」

やはりこういう時に飛び出すのは碧山だ。

「やんのか!?」

「いいぜ!両者了解の上での心武発動はOKなんだろ?」

碧山は次々話を進めてゆく。
俺は心武使えないのだが?と小さく呟いた。
三年の顔がニヤつく。
憂さ晴らしに俺らを使うのだろう。

「後悔すんなよ!」

「三年こそ、後悔すんじゃねぇぞ!」

ここに、四人の三年、と一人の戦力外を除き、四人の一年の闘いが始まった。

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