ビガプール貴族街ノルン家―――光と闇の街を平等に月と星が照らす。
豪勢な服装と整われた髪の毛の男と男と正反対のかっこうをする女とが踊り場で言い合いをしている。
「ガルガンダイン!」
「困ります!!ヤエル様!主人に人を入れるなと言われて」
「使用人風情が!!貴族に」
ヤエルの拳が使用人に向けられる。その時踊り場に通じる階段から声が放たれた。
「ヤエル!!ここは私の家だ!貴殿に我が家の使用人を殴る権利はないぞ!」
「ガルガンダイン!!どういうことだ!何故軍を、騎士団を使わない!」
ヤエルはガルガンダインの詰め寄り激しく言葉をぶつける。まるで大雨が地面をぶつける音のように回りの音を掻き消す。
「貴殿は今我々貴族が動けばどうなるか知っているのか?」
「何が言いたい?」
「今動けば、世界が混乱するんだよ、タソガラ教の大元ギルド『トワイライト』を叩けばギルド『ナイト・ナイツ』もでてくるはずだ」
「ナイト・ナイツだと!」
ヤエルの声が裏返る。まるで真実を知ったかのような驚きようだ。
それに比べガルガンダインは静かに窓から外のようすを見ている。
「貴殿が知らないとわ・・・わかったか?ヤエル、貴殿も知っているとうりギルド『ナイト・ナイツ』は闇市を指揮っている。今騎士団を使うと闇市自体が動きだして我々を消しにくるはず・・・」
「何故だ?あの小規模ギルドの『トワイライト』にあの大規模ギルド『ナイト・ナイツ』が肩入れするんだ・・・?」
ヤエル震えた唇で搾り出すようにして言葉を吐いた。ガルガンダインは長い自分の金色の髪の毛を紐で結び確認するように髪の毛を触る。
「ギルド『ナイト・ナイツ』はギルド『トワイライト』の傘下のギルドなのだよ」
「そんな馬鹿な!『ナイト・ナイツ』は何を考えているんだ!?」
ヤエルは怒号し壁を殴った。
「すまんがヤエル、私は少し出かける。怒るのなら外でやってくれ」
そう言うと踊り場にかかっている剣を手にとり腰にさした。
「ガルガンダイン・・・何するきだ?」
「古都に行く、会いたい人がいるんだ」
「護衛も連れずか?」
「ああ、単身でだ・・・もう決めたことだ、いやもう決まっているのだ」
ガルガンダインはまるで、家を去るように扉を開け外の闇に消えた。
同時刻古都、ハーディ家、二階のこじんまりとした一室―――
「シャーロイル、人助けはいいが・・・自分の体の心配をしたらどうだ?」
「ハハハ!私は器用じゃないからな」
「はいはい!薬は一日3乗、シャーロイル・・・私のような街医者でわなくだな、もう少し高名で腕の良い医者に診てもらったほうがいいぞ、一応お前は貴族なんだから」
そう言い終えるとファーガソンは薬の入った瓶を机に起き座っているシャーロイルを見る。
シャーロイルはその言葉を聞くやいなや、小ばかにするように笑い小さな眼鏡をくいっと上げた。
「友にそう言われるとわな・・・」
「私は友としてでわなく、医者として言っているんだ」
「医者としてか・・・」
昔を思い出すようにシャーロイルは空に目を泳がす。一時の沈黙の後シャーロイルは口を開いた。
「お前に言われると、少々腹がたつな、ファーガソン!だがな私は医者でわなく友に診断して欲しいんだよ、そちらのほうが、落ち着く」
ファーガソンはわがままな友と言う名の病人の言葉を聞き終えると、深いため息をついた。
「そう言うと思ったよ・・・本当にお前はかわらないな、シャーロイル」
「お前がかわったんだよ」
「シャーロイル、一つ聞きたいことがある・・・どこの誰かも解らない奴を泊めてるらしいな・・・」
「ああ!彼女ことか、ただの記憶喪失だ」
シャーロイルはかわいそうにと嘆きながら蓄えたひげを優しく触った。友に冷ややかな視線をやる。
「シャーロイル!人助けもそこら辺にしとくんだぞ」
そう言い終えると友に背を向け部屋を出た。
広い廊下を玄関に向けてファーガソンが歩いていると、玄関の方から暗い表情でこちらに歩いてくる少女がいた。
あぁ!この子がシャーロイルの助けた記憶喪失の子か。
少女は何かを引きずるようにしてシャーロイルのいる部屋に入っていった。
奥のシャーロイルの部屋から声が聞こえる。
「やぁ、シファちゃん寝れないのかい?」
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