[PR] ドバイ 九楼の苦労する不思議な大冒険 ハート・シフト・ウエポン 第1 『発動』 (5)
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ハート・シフト・ウエポン 第1 『発動』 (5)

五月の中頃、中間テストという拷問に耐え、テストの点数をきき超ブルーな一週間を終えたある日のこと。

「ねね!こう君!今日来るんだって!!」

「顔が近い!」

そう言い捨て、ななのおでこをトン!と叩いた。
むぅ、とななは唸って唇を尖んがらせるのだった。

「で、何が来るんだ?宇宙人か?それとも怪物か?」

ななはキッ!とにらみつけると嫌そうな顔で喋り出した。

「転校生が来るんだって、今日」

にぱ!っとななは笑顔になり小さな顔をいっぱいに幸せを表現するのだった。
どこまでも幸せな奴だ、俺なんてまだ中間テストが尾をひいているというのに。
そうこうしている間に朝のホームルームが始まる。神東はいつものようにせわしなく教室に入ってきた。

「はいはいはいはい!志水、碧山喋るのは後に!今日は転校生来てるから紹介するからね」

入って来てと、神東が言うとドアが開き一人の男子生徒が入って来た。
オレンジがかっていてボサボサの髪の毛、なにより女子は喜び、かっこよくない?とか囁いている。

「狩夜 冬吾って言います、よろしくお願いします」

「よし狩夜君は〜白百合の後ろの席ね」

狩夜は静かにななの後ろに行き席に座った。
俺の目と狩夜の目があう。咄嗟に前を向いた。

「じゃ〜一日頑張って、明日は日曜日、休みだからねけじめはちゃんとつけなさいよ」

そう言い終えると神東は教室を後にした。
それと同時に狩夜の席に女子が群がる。
まるで野獣だな。

「狩夜くんは前までどこに住んでたの?」

「誕生日は?」

「携帯のメルアド教えてよ」

などなど狩夜によってたかって女子は質問を浴びせるのだった。
今日は土曜だから午前中までか・・・早めに帰れるな。

「藤守、一限目移動教室だぜ!速くいこうぜ」

扉の向こうから聞こえた声の主は伊豆本だった。
移動教室だったのか、そう思いながら狩夜の席を見る。今だ女子に囲まれながら楽しそうに喋っている。羨ましいものだ。

「伊豆本、一限目って理解だよな?」

伊豆本は手に持っている本の表紙を扉の向こうから見せる。目をこらしながら見るとその本にはデカデカと理解と書いてある。声を出すのもめんどくなったのか?そう思いながらも、机の中から理解の本とノートを出して伊豆本のいる方へと駆け出す。






放課後―――逃げるようにして帰路に発とうと靴をはきかえていると志水に呼び止められた。

「藤守!今から帰んのか?」

「そうだけど?」

そう言うと志水はニヤリと不敵に笑った。
何か変なこと考えているな。

「暇だよな?なぁ?当然暇だよなぁ?」

「し、志水部活行かなくて言いか?」

「今日部活ないんだ!少し付き合え」

半ば強引に志水の用事に付き合うことになった。山吹学園は北に山があり東は東門があり西には西門、南には正門がある。
俺ら第3僚は東門を越えたすぐそこにある。
そして今俺と志水が歩いているのは西門に通じる道だ。
徐々に遠退いて行く我が僚を片目に志水の用事に付き合うことを嫌々ながらも決心した。







志水の用事とは、テニスラケットのガットの購入だった。変な用事じゃないのか、と疑っていたのだが予想外に普通の用事だ。一応飯はおごってもらったからよしとしよう。僚の扉を開ける。
ラウンジから声が聞こえる。みんなラウンジでだべっているのだろう。
そう思いながら志水と別れ自分達の部屋に入った。

「ただいま〜」

「あ!こう君お帰り」

「おかえりー」
野菜を切る音に紛れておかしな声が聞こえる。
ん?声が一つ多い?幻聴か?自分の耳を疑った。

「でね!狩夜君はどうおもう?」

「ん〜わかんねなぁ」

「か!狩夜ぁ!?な!なんでお前がここにいるんだよ!!??」

狩夜は不思議そうにこちらをみた。

「先輩から聞いてないのか?今日から俺はこの部屋の住人ってわけ」

一部屋に三つの部屋、三人共同生活が基本だ。
狩夜がこの部屋に宛がわれるのも不思議でわない、のだが何故かきにくわない何故だろうか。

「でね!こう君!」

「ん?なんだ?」

「狩夜君もいれてローテーションしながら食事当番制にしたからね」

「はいはい」

俺らくらいだぞ自炊しているのは!他の皆は僚の中にある食堂で食っているってのによ。
おかしな奴が加わったと小さく呟くことぐらいしか俺には出来なかった。

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